【文献】日本から見たドイツの林業研究

林業経済の分野より。
 
日本の林業はドイツからきた、と聞きます。
日本は欧米諸国に比べ遅れて近代化・資本主義化したので、国の基本となる憲法や民法のあり方などを欧米諸国から学び、日本の歴史と実態、目指すべき国家像を考慮して、法律を制定しなければならなかったようです。森林政策についてもそうであり、明治政府は欧米諸国の森林法について調査研究し、また幕府を含め各藩の林政について資料を収集しなければならなかった。
 
戦前はフランス、ドイツなどヨーロッパ諸国の森林法を中心に直接政策立案に関わって行われましたが、戦後には、それに加えアメリカ、カナダ、ソ連邦、ニュージーランドなどを対象としています。
 
比較森林政策論において、日本のドイツ林業研究は高度経済成長が始まってしばらく経ってから始まっている。
1963年に阿部正昭が国有林の成立過程について実証的に分析した研究がある位です。
1968年には小沢今朝芳がプロイセンやザクセンの国有林を中心に森林経営の展開過程を分析しています。
1971年に森林政策者であり、森林史に詳しいゲッティンゲン大学教授のカール・ハーゼルは「林業と環境」を出版しました。これはディートリッヒの森林機能論を踏まえてまとめられていて、森林の保全機能と休養機能が重視される「工業化段階」の森林政策のあり方を提示しています。
また、戦後のドイツを代表する林業経営者であるフライブルク大学教授のゲルハルト・シュパイデルは1967年に「林業経営学」を出版しました。
 
高度経済成長が終わり、国民の多くが木材生産よりも自然環境の保全に関心を寄せるようになります。
それが1981年ごろです。森林政策問題が国際舞台で議論されるのもこの頃です。この時期、1985年のプラザ合意による円高で外国に容易に行けるようになります。自然環境問題が森林政策に様々な影響をあたえて、従来と異なる研究視点の構築が求められました。森林政策への市民参加や合意形成など、森林政策における民主主義のあり方が問われた時期でもあります。

こうした、自然環境への関心が高揚し、人間社会と森林の関係を見直す必要からドイツ林業への関心は改めて高まります。北村昌美は「森林と文化」という視点から、シュバルツバルトの四季ををまとめて出版し、森林に関する市民の意識について、ドイツと日本の比較研究を行いました。
木村正信と有永明人はドイツの入林権と休養林の法的取り扱いついて分析を行いました。1994年のことです。
石井寛は戦後のドイツ林業の歴史研究の成果と現状分析、また旧東ドイツの森林管理制度の変化について明らかにしました。
神沼公三郎は酸性雨被害の状況と保安林制度について分析しました。
堀靖人は森林組合制度とバーデン・ビュルテンベルク州で世界で初めて実施された林地平衡給付金制度について研究しました。
森林政策上の基礎研究として、飯塚寛は1986年から1989年に実施された連邦森林調査の結果を報告しました。(1992年)
山縣光晶は1975年連邦森林法とバーデン・ビュルテンベルク州の森林法を翻訳しました。(1993年)
また、カール・ハーゼルの「森林史」(1985年)を翻訳し、「森が語るドイツの歴史」として出版しました。(1996年)これはドイツの森林史の通史であり、ドイツの森林利用と森林政策・管理の歴史を具体的に知ることができます。
石井寛と神沼公三郎は2005年に「ヨーロッパの森林管理」を出版し、そのなかで石井はドイツの行政改革の現状を、神沼は統一森林署の現状を、八巻一成は自然公園制度を分析しました。
 
参考
林業経済学会,林業経済学会50周年記念 林業経済研究の論点ー50年の歩みからー

how to sounds note of hope

村上春樹さんの「1Q84」で主人公のひとりである天吾は、社会的にも人道的にも許されることのない陰謀に加担し事件に巻き込まれていきます。事件の始まりは提案者である小松のこの一言からでした。
「リスクは人生のスパイスだ」
 
「リスクを背負ってでもやりたいことをしたほうがいい」
とはドイツのブンデスリーガ(野球のほう)と話したときに言っていた言葉でした。
 
最近、「リスク」や「覚悟」という言葉によく出会います。
安定した生活から新しい一歩を踏み出すとき、周囲の反対にも関わらず自分の夢を追い求めるとき、
いつでも誰でも新しいことをしようとするときはきっと躊躇するものですよね。
人生の分かれ道を決めるような言葉ですが、覚悟して決断することは普段の生活の中にあるものかもしれません。

本当に心からしたいと思っている生活をしているのか。
5年先、10年先はなにをしているのか、なにをしていたいのか。
そもそも本当にしたいこととはなんなのか。
それを見つけることが難しい。
みんなはもっているのだろうか。
   
下の写真は2010年2月のNational Geographicに載っていたものです。

イラク・バクダッドから北東にいったところに戦争によって被害を受けた音楽ホールがあります。
少年は希望の調べを奏でると書いてあります。
 
この少年はなにを考えてこのバイオリンを弾いているのでしょうね。
 

der Tag der Erdbebenforschung / 地震調査の日

先日、建設・土木系コンサルタントの方と仕事をする機会がありました。
   
かつての建設ラッシュの時代に比べ建設系コンサルの仕事はやはり減ってきているそうです。
ただ、今は震災の影響もあり原発付近の地盤調査や断層調査が多いと聞きます。
 
仕事は、反射法探査と地震計を用いて農業地帯に対する地震の影響調査でした。
大学の先生のお手伝いとして私も参加しました。
滋賀の場合、琵琶湖の周りに水田が広がっています。
水田に使用する水は、棚田などを除いてそのほとんどが琵琶湖からの揚水です。
琵琶湖の取水口から揚水機場や分水工、ポンプを経て各水田へ必要な水が送られます。
それらは土地改良区により管理されています。
普段、琵琶湖岸を車で走ったり水田地帯にある農道を通ったりしていますが、実はその地下にはパイプが張り巡らされているのですね。
主に地震によりそのパイプにどのような影響がでると予測されるか、それを調査しました。
 
土地改良区の事務局長の方はユニークな方で面白い話をいくつも教えていただきました。
なんでもどぶろくは花粉症に効くそうです。